ファンクションポイントベースの資料

ずーっと前に
「なんで皆ステップ数で規模とか品質はかるんだ!そんなのシステムによって変わるから今の時代はFPで計測してくれー!」
と書いたら2010年に経済調査会なるところが使えそうなネタを公開していました。


経済調査会 経済調査研究所

研究レポート「ソフトウェア開発データリポジトリの分析」(2010年7月)


ここに上がっている中でビットがたったのが8章「FP生産性に関する分析」です。
この中では、工期とFP生産性の関係、ウォーターフォールと繰り返し型開発のFP生産性などが公開されてたりします。

なかでも興味深かったのは8章最後の「最大開発要員規模比とFP生産性」です。
最大開発要員規模比=最大開発要員数/実績FP規模
で算出するため、最大5人で500FPのシステムを開発すると0.01となります。

この資料ではいくつかの分析でFP規模を1000未満と1000以上で分類しているものがあり、最大開発要員規模比の場合も分類されています。
先ほどの500FPの例を考えると、最大開発要員規模比は0.01未満、あるいは0.01〜0.15未満だとFP生産性はそれ以上に比べて1.5倍以上良くなるようです。
 (なお、7人で500FPだと0.014。)

普通のプロジェクトでは、人員は最初少なく、途中で最大になって、最後は少なくなると思うので、3→5→3とか、4→7→4てな感じで500FPのシステムを作りきれたら「普通にこなせた」と言えるという事でしょう。

ただ、注意しなければらないのは工期の関係でどうしても最大開発要員数が高くなる場合もあると思います。また、このデータ自体「火を吹いて人員を大量投入されたプロジェクト」も入っているのではと思います。
従って、あくまで「どっちのほうが生産性が良いか」という傾向をつかむ為に使えるとは思いますが、実際の「どれくらいの生産性なのか」「何倍の生産性なのか」という値は参考程度にとどめて実際の見積もりに使うのは避けた方が良いのではないか、と思ったのでした。


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